本とPCとカナリアと

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愛と憎しみから解放されたいあなたへ

こんばんは。凛です。

 

何だか気取ったタイトルになってしまいました。顔から火が出そうです。

 

今日はブログを始めたらやってみたかった「オススメの本」について書こうと思います。

 

ただ、本の海は広大なので、その都度テーマを決めたいて本を勧めたいと思います。

 

 

今回のテーマは…「家族愛」

 

 

今回は「家族愛」についての本です。

 

ほっこり♡微笑ましい話♡

みたいなのを期待した方はごめんなさい。

今回はちょっと違うんです。

 

家族のカタチは家族の数だけあります。

幸せな事に越したことはありませんが、そうでない御家族もあります。

そして、その間を彷徨う家族もいますよね?

 

幸せなのかもしれないけど、不幸。

愛しているのに、憎しみに蝕まれそう。

 

もし、ここでピンと来ない方は、今回のブログを読んでも余り面白くないかもしれません。

 

今回は、私が読んだことのある本の中で、

愛と憎しみから解放されたい方にオススメしたい本について、自己満足に書いていきます。

 

乙一「陽だまりの詩」(短編/ZOOに収録)

 

 

この本は私が中学生の時「ジャンル分け、不能」という帯の文字に惹かれて買いました。

 

乙一さんの小説は、無駄な文を削ぎ落としているのに大切な情景が残っていて、さくさく読みやすいです。

けれど、話によって個性の振り幅が大きく、中にはとてもグロテスクなものやショッキングなものがあるので、苦手な方は気をつけて下さいね。

 

今回オススメしたいのはZOOという短編集の中に収録されている「ひだまりの詩」です。(この短編はグロテスクな描写はほぼありません)

 

あらすじ↓

 アンドロイドとして目が覚めた主人公は、自分を作り出した主人と生活を送ることになりました。世界には疫病がはやり、広大な土地に主人公と主人だけしか残っていません。ロボットの主人公は生活に必要なこと、人間らしい感情を知らず、主人に度々指導してもらいます。ささやかながら穏やかに日常を送る2人。しかし、そんな日常は…。

 

 

 

どちらかといえば文は淡々としていて、感情が爆発する様に書かれることはありません。

 

けれど、読み進めるうちにいつのまにか引き込まれていて、最後は…

 

私はこの短編終盤のある1行を読んだ時、救われました。

 ああ、そう思っていて良いのだと。

 

あなたもこの物語を読み終わった時、少しでも背負っているものが軽くなります様に。

 

 

ZOOは文庫版だと二冊に分かれています。

「陽だまりの詩」が収録されているのはZOO1の方です▼

 

辻村深月「凍りのくじら」

 

 

辻村深月さんの本が大好きなのですが、他人には余りオススメしません。

何故かというと、彼女の小説はあまりに感情を揺さぶられるし、他の作品と絡み合っているからです。

 

彼女のデビュー作は「冷たい校舎の時は止まる」なのですが、彼女の作品を読むなら、この一作目から順番に読まなければいけません。

 

彼女の文章はからくり仕掛けの様に、他の作品の核心部分に関わっていることがあり、その前の作品を読んでもオチが全く分からないことがあるからです。

 

なので「凍りのくじら」を読んでもらうには、その前の小説を読んでもらう必要が出てきます。

どれも面白いのですが、大きく感情を揺さぶられるため、一気に沢山読むと大分疲れます。

 

でもオススメします…。

 

あらすじ↓

藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき―。

(「BOOK」データベースより)

 

 

彼女のデビュー作こちら(上下巻です)↓

発行順に読んでいくのがオススメです。

 

 

 

「凍りのくじら」はこちら↓

 

 

辻村さんの本を読んだ人の中には、彼女を「代弁者」と呼ぶ方がいます。

私も彼女の小説を読んだ時、その表現がぴったりだと感じました。

 

あなたがどうしようもない感情を言葉に出来ず、苦しんでいるのなら、辻村さんの本を一度手に取ってみるといいかもしれません。

 

 

伊坂幸太郎「重力ピエロ」

 

家族という繋がりが呪いに変わる原因の一つは「血のつながり」だと思います。

家族という括りなのに、血のつながりはない。家族が重大な犯罪者だ。遺伝したくない血筋を遺伝してしまった…。

呪いの形はそれぞれです。

 

この重力ピエロは、まさにその呪いに関する物語だと思います。

 

あらすじ

兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは―。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。

(「BOOK」データベースより)

 

「重力ピエロ」はこちら↓

 

伊坂さんの小説を読み、私は初めて透明感のある文章に出会いました。

この小説で語られるテーマはあまりに重く、他の人がこの題材を扱えば、物語にはならなかったと思います。

けれど、伊坂さんの文才により、ひとつの物語として、誰かを変える物語として存在しています。

 

あなたの呪いが解けますように。

 

最後に

 

さて、今回は初めてオススメの本についてのブログを書きました。

実はこれって賭けです。ネタバレを書いているわけでもないし、この記事を読んでも読んだ人に何か知識がつくわけではありません。

 

また、もしこの記事を読んで本を手に取って貰っても、もしかしたら「こんなものは駄作だ」と思う方もいるかもしれません。

全ての人に響くものは存在しないし、本や言葉は、巡り合うタイミングがとても大切ですから。

 

愛と憎しみの感情は、他人にどんな言葉をかけられても、何の救いにもなりません。

自分自身で感情の落としどころを見つけなくてはならないのでは…と思います。

それを世間では「赦し」「解放」と呼ぶのかもしれませんが、ずっと囚われてしまう人もいます。

 

もし、ここで紹介した本が、誰か一人でも人生を変えるキッカケになるのなら、一人の読書好きとして、こんなに嬉しいことはありません。

 

今回は家族愛をテーマにしましたが、今後はもっと色々なテーマのオススメの本をブログに書きますね。

 

それでは、今日もここまで読んでいただき、ありがとうございました。